住宅ローンの平均的な期間は30年~35年。しかし、近年では40年や50年などの長期ローンも出てきています。
35年ローンなどと比較すると月々の負担額が軽くなるため一定の人気がある一方で、中には「やばい」などの声があるのもまた事実。
そこで今回は「40年の住宅ローンがやばいと言われている理由」を不動産のプロが徹底解説します。
本記事を読むことで、40年ローンのメリット/デメリットを把握でき、自身に適した期間のローンかを判断しやすくなりますよ。
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40年の住宅ローンはやばい?
結論から言うと、40年の住宅ローン自体はやばいわけではありません。
メリットとデメリットがそれぞれあるので、自身の状況に合わせて何年のローンが最適なのか?を把握することが大切です。
75~80歳まで住宅ローンが残るのはきついかも
40年ローン自体はやばくないですが、ローン契約時のタイミングが遅く、75歳~80歳までローンが残るのはきついかもしれません。
75歳~80歳でも返済できる算段があれば問題ないですが、定年後はどうしても収入の安定化が難しいです。
なので、返済の算段がない状態で、40歳や50歳から40年ローンなどの長期ローンを組むのはやばいかもと認識しておきましょう。
>>【難しい】30歳/40歳が貯金なしで家を買うことは可能?貯金はないけど家が欲しい時の対処法
40年の住宅ローンがやばい理由(デメリット)
では、まず40年の住宅ローンがやばい理由(デメリット)から見ていきましょう。
順番に解説しますね。
やばい理由①:総利息額がより多くなる
40年の住宅ローンがやばいと言われる最大の理由は、総返済額が大幅に増える可能性があること。
35年ローンと比較すると、毎月の返済額は抑えられますが、その分返済期間が長くなるため、総利息額が増加してしまいます。
詳しくは後述しますが、4,000万円の物件を固定金利1.5%で購入したと仮定すると、35年ローンの場合は総返済額がざっくり5,000万円なのに対し、40年ローンの場合は総返済額がざっくり5,200万円です。
月々の返済額の負担は下がるものの、一方でトータルで支払う金額に差が出るので、その点はデメリットと言えるでしょう。
やばい理由②:精神的な不安がより長く続く
また、ローン期間が長いことにより、精神的な不安がより長く続くのもデメリットです。
10年や20年のローンであればまだしも、40年のローンともなると人生の半分に近い期間です。その40年の期間をずっと一定の割合で返済し続けるのは、人によっては苦痛に感じる可能性があります。
30代、40代、50代と歳を取るにつれて不安や不確実性が増すので、40年の長期ローンを検討している場合は20代など若い時期から始める方が良いかもしれませんね。
やばい理由③:選べる金融機関や商品が少ない
40年以上の住宅ローンを提供している金融機関は少なく、選べる商品も限られてしまいます。
金融機関の選択肢が少ないため、自分に最適な条件での借り入れが難しくなることもあるので注意が必要。短期~中期の住宅ローンより条件が厳しいケースが多い訳です。
また、住宅ローンの審査が厳しくなる傾向も。当たり前ですが、銀行などの貸付機関もビジネスなので、ある程度のスクリーニングがかかります。
やばい理由④:金利がより高くなる傾向にある
40年ローンがやばいと言われる理由の1つは、金利が高く設定される傾向があることです。
一般的に、借入期間が長くなるほど金利が上昇する傾向にあるので、30年ローンや35年ローンよりも40年ローンの方が金利は上がりやすいわけです。実際、フラット35とフラット50を比較すると、金利が0.48%高く設定されることがあります 。
また、変動金利を選択した場合、金利上昇リスクも考慮しなければなりません。金利が上昇すると毎月の返済額が増えてしまうので、思わぬ経済的なインパクトがあるかもしれません。
やばい理由⑤:定年後まで返済が続く可能性がある
40年ローンを組む場合、定年後も返済が続くリスクが高まります。
例えば、30歳でローンを組んだ場合、70歳まで返済が続くことになりますよね。現状、定年退職は基本的に65歳にて設定されていることが多いため、定年後から5年間は返済が続くことになります(医学の躍進により寿命が延び、定年退職の年齢も引き延ばしになる可能性はありますが)。
なので、定年後まで返済を続けたくない場合は、20代など早い段階からローンを組むか、退職金などまとめてお金が付与されるタイミングで繰り上げ返済するなどの対策を採ると良いでしょう。
>>【後悔】35年住宅ローンの恐ろしさ!頭おかしい/苦しい/やめとけと言われる理由とは
40年の住宅ローンのメリット
次に、40年の住宅ローンのメリットを見ていきましょう。
順番に解説しますね。
メリット①:資金繰りがやりやすくなる
40年の住宅ローンを選ぶ最大のメリットは、資金繰りがやりやすくなることです。
毎月の返済額が少なくなるため、返済以外にもお金を使う余裕が生まれやすいです。要するに、生活の質を無駄にせず返済を少しずつ行えるメリットがあるわけです。
例えば、返済も行いつつ、一定の資金にてNISA枠で非課税運用を行い、利息分を運用利益分で相殺するといった対策を採っている方もいますね。
短期中期ローンよりも資金的に余裕が生まれるが故のメリットを享受できるのが40年ローンの魅力と言えるでしょう。
メリット②:生命保険料の節約に繋がる
40年ローンを選ぶもう1つのメリットは、生命保険料の節約に繋がることです。
通常、住宅ローンには団体信用生命保険(団信)が付帯しており、借入期間中に債務者が亡くなった場合、残債務が保険金で返済されます。40年ローンを組むことで、団信に長期間加入できるため、別途生命保険を減額することが可能なわけです 。
40年間のローン期間中は団信によって死亡保障がカバーされるため、生命保険の保障額を減額し、保険料を節約することができるという仕組みですね。
メリット③:毎月の負担額がより低くなる
40年の住宅ローンを選ぶことで、毎月の負担額がより低くなります。
4,000万円の物件であれば、35年ローンより40年ローンの方が毎月の返済額が1万円以上少なくなります。なので、35年だと返済が難しい場合でも、5年伸ばせばある程度のカバーは可能でしょう。
また、前述した通りですが、資金繰りをしやすくなるので、QOLを一定保ったまま返済をできるメリットがありますね。
メリット④:親子リレー返済に活用しやすい
40年ローンは親子リレー返済に活用しやすいというメリットもあります。
親子リレー返済とは、親子二代で住宅ローンを返済する方法で、特に若い世代が住宅を購入する際に有効です。長期間のローンであれば、親世代がリタイアした後も子供が返済を引き継ぐことができるため、計画的にローンを返済することが可能。
ただ、親子二代をまたぐことでリスキーな部分もありますし、金融機関により条件もあるので、契約の際には注意が必要です。
メリット⑤:物件のレベルを上げることが可能
40年ローン最後のメリットは物件のレベルを上げることが可能になることです。
返済期間を長くすることで月々の返済額が抑えられるため、予算内でより良い条件の物件を選ぶことが可能。10年や20年のローンでは購入できない物件でも、40年ローンであれば手が届くケースも多いです。
長くずっと住む家になるのであれば、短期ローンで安い家に妥協するのではなく、長期ローンで理想の家を選ぶのもアリではありますね。
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40年の住宅ローンのシュミレーション
次に、40年の住宅ローンのシュミレーションを物件価格ごとに紹介していきますね。
固定金利1.5%という仮定の元、モーゲージ計算によって金額ごとにシュミレーションしていきます。
40年ローンのシュミレーション①:3,000万円の物件
- 返済額:83,152円/月
- 返済総額:39,912,840円
- 返済利息額:9,912,840円
3,000万円の物件を40年ローンで購入する場合のシュミレーションは上記の通りです。
30年ローンの場合は、月々の返済額が103,536円で返済総額が37,272,983円なので、ざっくり200万円ほどの利息差額が出る計算にはなります。
40年ローンのシュミレーション②:4,000万円の物件
- 返済額:110,869円/月
- 返済総額:53,217,120円
- 返済利息額:13,217,120円
4,000万円の物件を40年ローンで購入する場合のシュミレーションは上記の通りです。
30年ローンの場合は、月々の返済額が138,048円で返済総額が49,697,310円なので、ざっくり350万円ほどの利息差額が出る計算にはなります。
>>【後悔】住宅ローン4,000万はきつい?世帯年収別のシュミレーションまで徹底解説
40年ローンのシュミレーション③:5,000万円の物件
- 返済額:138,586円/月
- 返済総額:66,521,400円
- 返済利息額:16,521,400円
5,000万円の物件を40年ローンで購入する場合のシュミレーションは上記の通りです。
30年ローンの場合は、月々の返済額が172,560円で返済総額が62,121,638円なので、ざっくり440万円ほどの利息差額が出る計算にはなります。
40年ローンのシュミレーション④:8,000万円の物件
- 返済額:221,738円/月
- 返済総額:106,434,240円
- 返済利息額:26,434,240円
8,000万円の物件を40年ローンで購入する場合のシュミレーションは上記の通りです。
30年ローンの場合は、月々の返済額が276,096円で返済総額が99,394,621円なので、ざっくり700万円ほどの利息差額が出る計算にはなります。
40年ローンのシュミレーション⑤:1億円の物件
- 返済額:277,172円/月
- 返済総額:133,042,800円
- 返済利息額:33,042,800円
1億円の物件を40年ローンで購入する場合のシュミレーションは上記の通りです。
30年ローンの場合は、月々の返済額が345,120円で返済総額が124,243,276円なので、ざっくり880万円ほどの利息差額が出る計算にはなります。
>>【決着】家賃がもったいないとか言って家を購入するバカって頭悪いよねと言われる理由
【SNSの声】40年の住宅ローンはやばい?
次に、SNSで40年の住宅ローンはやばいと思うか?を集めてみました。
検索すると「40年ローン やばい」と出てくるので、客観的な意見も順番に見ていきましょう。
SNSの声①:住宅価格が上がってるのに30年40年ローンとかやばい
元々インフレで住宅価格がめちゃくちゃ上がってるのに、その上金利まで7%で30年40年ローンとか、やばいぞ。
— としはる (@toshiharu2016) July 13, 2023
元々インフレで住宅価格がめちゃくちゃ上がってるのに、その上金利まで7%で30年40年ローンとか、やばいぞ。
SNSの声②:20代前半の若い時に家買ったらまだいいけど怖い
40年ローン関連がオススメに上がってくるけど40年て繰り上げしなかったら何歳で完済?20代前半の若い時に家買ったらまだいいけど35で買ったとして75…年金やん
— いくら🪴6y+4y (@saki_tjmh) May 21, 2024
貰えるか未来ない年金でローン組むのは怖すぎるだろおおお!#住宅ローン
40年ローン関連がオススメに上がってくるけど40年て繰り上げしなかったら何歳で完済?20代前半の若い時に家買ったらまだいいけど35で買ったとして75…年金やん。貰えるか未来ない年金でローン組むのは怖すぎるだろおおお!#住宅ローン
SNSの声③:30歳で借りて70歳で返すのはきつい
住宅ローンで40年ローンが誕生しました!って銀行持ってきたけど、30歳で借りて70で返すんでしょ?きついわwww
— 🦐二児ぱっぱ🦐社会人ハゲーマー (@kazuma01goodpap) August 15, 2020
その分借入額が増やせれるんだろうけど、繰り上げ返済なんて基本出来てる人すくないからな?簡単に言ってくれるなよwww
住宅ローンで40年ローンが誕生しました!って銀行持ってきたけど、30歳で借りて70で返すんでしょ?きついわwwwその分借入額が増やせれるんだろうけど、繰り上げ返済なんて基本出来てる人すくないからな?簡単に言ってくれるなよwww
SNSの声④:40年ローンで月の支払い減らして団信つければありかも
40年ローンにして月の支払い減らして、その分をNISAに回して繰り上げ返済するっていうやり方をインスタでみたけどそれも確かにありなのか?🤔団信つければ、生命保険代わりにいいもんね……それなら注文もありか、、??
— K🍊☺︎ (@goofy_24K) May 11, 2024
40年ローンにして月の支払い減らして、その分をNISAに回して繰り上げ返済するっていうやり方をインスタでみたけどそれも確かにありなのか?団信つければ、生命保険代わりにいいもんね……それなら注文もありか、、??
SNSの声⑤:30歳でローン組んだとして70歳までローン返すのは怖い
あと今40年ローンもあるらしくて、30歳でローンくんだとして、70歳までローン返す計算?!?!怖っ!!!!となりました。定年伸びる前提の話って聞いたけど、恐ろしい話しすぎる
— Rin Fuji (@Rin_Fuji_) April 9, 2024
あと今40年ローンもあるらしくて、30歳でローンくんだとして、70歳までローン返す計算?!?!怖っ!!!!となりました。定年伸びる前提の話って聞いたけど、恐ろしい話しすぎる
40年の住宅ローンはやばい?:まとめ
40年の住宅ローンはやばいと思うか?SNS上の声をまとめると上記の通り。
- 30歳で借りて70歳で返すのはきつい
- 20代前半の若い時に家買ったらまだいいけど怖い
- 住宅価格が上がってるのに30年40年ローンとかやばい
- 40年ローンで月の支払い減らして団信つければありかも
- 30歳でローン組んだとして70歳までローン返すのは怖い
「怖い」との声が多かったです。
やはり40年という長い期間ずっと返済し続けるという状態に対して、漠然とした不安感を持つ方が多い印象でした。
持ち家をそこまで欲しいと思っていない方や40年ローンのデメリットが飲み込めない方は後悔する可能性があるので、ローンを組む前にしっかりと考えるべきでしょう。
>>【デメリットだらけ】新築タワーマンションは人生最悪の買い物ですと言われる理由
40年の住宅ローンの取り扱い銀行
40年の住宅ローンの取り扱い銀行はそこまで多くはありませんが、それでもネットバンクを含め複数の選択肢があります。
- みずほ銀行
- りそな銀行
- ソニー銀行
- イオン銀行
- 東海ろうきん
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- 住信SBIネット銀行
住宅金融支援機構(JHF)が提供しているフラット35も、実は条件によっては40年での返済が可能です。
上記の他にも、地方銀行や信用金庫、信用組合でも対応があるケースもありますので、自身の住まいに合わせて検索してみましょう。
40年の住宅ローンがやばい理由:まとめ
40年の住宅ローンは、返済期間が長いことで「やばい」と思われがちな制度です。
しかし、実際にはデメリットがあるものの、使い用によってはメリットもあるため、ケースバイケースと言えるでしょう。
返済計画が立っているのであれば、理想の家に早くから住めるので、ぜひ上手く活用していきたいものですね。
また、弊社運営の01HOUSEは基本的に仲介手数料が無料です。他社でも無料の場合は、最大100万円のキャッシュバックがあります。100万円単位での節約が可能なので、家を購入する際はぜひご活用ください。
仲介手数料を無料にする裏技
物件の購入であれば、01HOUSEを活用すると、仲介手数料が0円もしくは0.7%まで節約可能。
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