東京都内には、金持ちしか住めないと言われる高級住宅街がいくつも存在します。港区・渋谷区・世田谷区をはじめ、一等地と呼ばれるエリアでは、土地価格や物件価格が一般水準を大きく上回り、購入層も経営者・上場企業役員・資産家などに限られるケースが少なくありません。
しかし、本当に価値のある高級住宅街とは、単に価格が高いだけの街なのでしょうか。実務の現場では、坪単価やブランドイメージだけで格付けすることはありません。土地の流通量、建築規制、住環境の静謐性、過去の価格推移、購入層の属性まで含めて総合的に評価していきます。
実は高級住宅街には明確な格付け基準があります。今回は、東京都内の代表的な高級住宅街をランキング形式で整理しつつ、一等地と呼ばれるエリアの本質的な価値基準を解説。
都内住宅街のどこが高いのかではなくなぜそこが高いのか。価格の裏にある構造を理解することで、資産価値を見極める視点が身につくはずです。

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【Top.7】東京都の高級住宅街ランキング
では早速、メインテーマから。東京都の高級住宅街ランキングTop.7は以下の通りです。
- 元麻布・南麻布(港区)
- 白金・白金台(港区)
- 松濤(渋谷区)
- 田園調布(大田区)
- 成城(世田谷区)
- 広尾(渋谷区)
- 番町(千代田区)
一つずつ順番に見ていきましょう。
※提示する坪単価や価格帯は、国土交通省の公示地価・基準地価データ、不動産ポータルサイト上の実勢価格、過去の成約事例、各種メディア報道などを横断的に参照し、概算レンジとして整理したものになります。実際の取引価格は接道状況・高低差・土地形状・建築条件・売主事情などにより大きく変動するため、一定の幅や若干のずれが生じる可能性がある点はあらかじめご理解ください。
東京都の高級住宅街ランキング第1位:元麻布・南麻布(港区)
元麻布・南麻布は、港区内でも公示地価が特に高水準で推移するエリア。直近の公示地価では、標準地ベースで1㎡あたり200万円台後半〜400万円超の地点が確認され、坪単価換算では概ね800万円〜1,300万円前後のレンジに位置します。これは都内住宅地の中でも最上位クラスの水準です。
この価格帯を形成している背景には、単なる立地利便性だけでなく、用途地域の制限による低層中心の街並み維持、広い敷地を前提とした邸宅需要、大使館や外資系幹部の居住集積など、供給と需要の両面からの構造的要因があります。特に第一種低層住居専用地域が広がる区画では建築規制が厳しく、土地の細分化が進みにくいため、流通件数は極めて限定的です。
結果、戸建て物件は数億円単位が一般的となり、価格下落局面でも値崩れしにくい傾向が見られます。元麻布・南麻布は価格が高い街というよりも、供給制限とブランド性によって価値が維持されている、都内屈指の超富裕層向け住宅街と位置づけられることは間違いないでしょう。
今年最後の土曜現場は元麻布の高台にある高級住宅地、現場には外国人労働者か何人もいる、若い女性の外国人労働者もいる、尊敬しかない、金持ちの高級な邸宅を実際に作っているのはこの人達 pic.twitter.com/EW58Q8ZFc1
— マンホールくや (@manholekuya) December 27, 2025
東京都の高級住宅街ランキング第2位:白金・白金台(港区)
白金・白金台は、港区内でも公示地価が安定して高水準にある住宅地。直近の公示地価(住宅地)では、標準地ベースで1㎡あたり概ね250万円台後半〜350万円台が中心レンジとなり、坪単価換算では約820万円〜1,150万円前後に位置します。地点条件により差はあるものの、都内住宅地としては最上位クラスに属する価格帯です。
麻布エリアほどの極端な希少性はないものの、第一種低層住居専用地域が一定範囲で広がり、街並みの落ち着きが維持されています。また、高級低層マンションと邸宅がバランスよく混在している点も特徴。商業施設や医療機関、教育環境へのアクセスが良好で、実需としての富裕層ファミリー層の支持が厚いことが地価の安定につながっています。
価格帯は高額ですが、港区内では流通も一定数あり、極端な閉鎖的超富裕層エリアというよりは、ブランド性と実需が両立した高級住宅街という位置づけが実態に近い評価といえます。
白金台をうろうろ
— mituru ozaki@U’plan (@mituru0622) July 22, 2022
観てて飽きないなぁ。
高級住宅街って楽しいよね。 pic.twitter.com/Jcuoa2fi3l
東京都の高級住宅街ランキング第3位:松濤(渋谷区)
松濤は、渋谷区内でも公示地価が常に上位に位置する邸宅地。直近の公示地価(住宅地)では、標準地ベースで1㎡あたり概ね280万円前後〜350万円台が中心レンジとなっており、坪単価換算では約920万円〜1,150万円前後に位置します。
地点条件が良い区画では坪1,100万円台に達する水準も確認され、都内住宅地としては港区麻布エリアに次ぐトップクラスの価格帯。
松濤の価値は、単なる価格水準ではなく、第一種低層住居専用地域を中心とした用途制限によって大型邸宅の街並みが維持されている点にあります。敷地面積100坪超の区画も多く、建物規模も大きいため、土地価格以上に総額が高額になりやすいエリアです。流通件数は極めて限定的で、売却情報自体が少ないことも価格の安定要因となっています。
また、渋谷駅徒歩圏という都心立地でありながら、幹線道路から一歩入ると静穏な住宅環境が広がる点は松濤特有の強み。再開発が進む渋谷エリアに隣接しながらも、住宅地としての用途規制が厳格なため、急激な環境変化は起こりにくい構造となっています。
総じて松濤は、都心型高級邸宅地として価格水準・希少性・ブランド性の三要素が揃ったエリアであり、実態としても都内屈指の高級住宅街と評価するのが妥当と言えるでしょう。
日本最強の超高級住宅街「松濤」 pic.twitter.com/EQZA9HbYwF
— のぶりん (@nobunobunobune) September 2, 2025
東京都の高級住宅街ランキング第4位:田園調布(大田区)
田園調布は、都心型の超高単価エリアとは異なり、総額で評価される高級住宅街。直近の公示地価(住宅地)を見ると、中心となる田園調布3丁目では㎡単価120万〜170万円台が主なレンジで、坪単価換算ではおよそ400万〜560万円前後に位置します。外縁部では坪300万円台後半の地点もありますが、ブランドの中核である3丁目は坪450万〜550万円帯が実務感覚に近い水準です。
坪単価だけを見ると港区・渋谷区の上位エリアよりは一段低いものの、田園調布は区画の広さが前提条件となる点が決定的に異なる点です。60坪〜100坪超の土地が標準的であり、仮に坪500万円×60坪であれば土地だけで約3億円となります。実際の流通価格でも、中心部の整形地は2億円台後半〜3億円台がボリュームゾーン。
また、第一種低層住居専用地域が広範囲に設定され、敷地分割が進みにくい構造のため、街並みの均質性が長期的に維持されています。都心再開発の影響を直接受けにくく、急騰するエリアではなく値が大きく崩れにくいエリアという性格が強いのも実態でしょう。
実務上としては、坪単価勝負の港区高級地に対して総額勝負の田園調布といったイメージになります。
田園調布は渋沢栄一らが
— 小野裕人 (@yuuto_0514) June 21, 2025
理想的な高級住宅街として開発した#毎日勉強ノート(1112日目) pic.twitter.com/DcPyCYLQj7
東京都の高級住宅街ランキング第5位:成城(世田谷区)
成城は、公示地価よりも実際の流通総額で評価すべきエリア。直近数年の売出・成約事例ベースで見ると、土地の実勢坪単価は概ね 280万円〜360万円前後が中心レンジとなります。駅近・整形地・6丁目の条件良好区画では坪380万円前後まで上振れるケースもありますが、400万円超は限定的です。
成城のボリュームゾーンは、敷地面積50坪〜70坪。仮に坪320万円×60坪とすると土地価格は約1億9,000万円規模となり、実際の流通総額も 1.6億円〜2.2億円台が中心帯です。港区型の坪単価勝負とは異なり、一定以上の広さを前提とした総額レンジで市場が形成されています。
また、第一種低層住居専用地域が大半を占めるため、敷地の細分化が進みにくく、街並みが維持されやすい構造とも言えます。分譲業者による小割開発は限定的で、結果として邸宅街としての景観とブランドが守られてきました。都心直結性は港区・渋谷区ほど強くありませんが、落ち着いた高級住宅街としての需要は安定しています。
小田急線成城学園前駅
— ぱんだ (@8pa_n_da8) May 29, 2023
高級住宅地を散策中、解体目前の切妻屋根の洋館を見つけました。築97年なのだそうです。撮影していたら通りかかった家主の方が教えてくれました。まさか声を掛けられるとは…
1918年創業の成城風月堂でミルフェを頂きながら成城石井本店を眺めていました pic.twitter.com/6d1kU0OgyE
東京都の高級住宅街ランキング第6位:広尾(渋谷区)
広尾は、松濤のような純邸宅型とは異なり、高級マンションと戸建てが混在する国際型高級住宅地。実勢価格ベースで見ると、戸建て用地の坪単価は 概ね500万円〜650万円前後が中心レンジとなります。条件の弱い区画では坪450万円台も見られますが、駅徒歩圏や南麻布寄りの立地では坪700万円弱まで上振れるケースがあります。
広尾の流通で多いのは40坪前後の土地です。仮に坪600万円×40坪であれば土地価格は約2.4億円となり、実際の総額帯は 2億円台後半〜4億円台が中心 です。30坪台前半の小ぶりな区画は供給が限られ、逆に60坪超の大型区画は流通自体が少ないため、価格レンジは一定幅に収れんしています。
また、広尾は大使館・外資系企業幹部・インターナショナルスクール需要が厚く、賃貸マーケットも強いエリアです。麻布ほど用途制限による供給制約が強いわけではありませんが、立地希少性と実需の厚さによって価格が下支えされています。特に高級分譲マンションは価格上限が高く、専有換算で坪1,000万円超の事例も存在しますが、これはブランド・築浅・立地条件が揃ったケースに限られます。
比較イメージとしては、麻布よりやや流通があり松濤ほど閉鎖的ではない実需と投資需要が両立する高級住宅地といった形です。
元旦は広尾をブラブラしてました🚶
— 神田さん (@HammarTokyoHk) January 1, 2025
オススメスポット4選
①ナショナル麻布(海外色豊かなスーパー)
② 中華香彩 JASMINE(よだれ鶏絶品!)
③有栖川記念公園(都心のオアシス🌲)
④東京都立図書館(蔵書多い。他の図書館からこちらの資料を取り寄せれる)
高級住宅街や商店街もあったりして飽きない街♫ pic.twitter.com/2TftjqlwKh
東京都の高級住宅街ランキング第7位:番町(千代田区)
番町(三番町・四番町・六番町など)は、千代田区内で実質的に唯一の高級住宅エリアと評価される特殊な立地です。実勢価格ベースで見ると、戸建て用地の坪単価は 概ね550万円〜750万円前後が中心レンジ です。整形地・角地・希少性の高い区画では坪800万円台に到達するケースもありますが、900万円台は極めて限定的です。そもそも戸建ての流通自体が非常に少なく、価格は出物ごとに個別判断となる市場です。
番町の価格形成を主導しているのは戸建てよりも高級分譲マンションです。築浅・ブランドマンションでは専有換算で 坪900万円前後が一つの目安となり、条件が揃えば坪1,100万円〜1,200万円台の事例も見られます。総額ベースでは3億円台〜4億円台が中心帯で、5億円超は上位住戸に限られます。
エリア特性としては、皇居近接という立地価値、名門校の集積、商業色の抑制された住環境が挙げられます。港区の麻布のような大規模邸宅街とは異なり、都心一等地に住むことそのものが価値となるエリア。用途地域も住居系が中心で、オフィス街の中にありながら住宅地としての静穏性が保たれています。
供給が極端に少なく、マンション主導で価格が形成される点が番町の本質であり、実勢レンジで見ても都内最上位帯の一角に位置しています。
本日の夏の古地図散歩、後半は旗本屋敷街だった番町をあるきました。広い旗本屋敷が上級官僚や事業家の住居となり、高級住宅地に姿を変えた町。実は2つの谷をまたいでいて、けっこうな起伏がありました。 pic.twitter.com/7mivkYNVvs
— 歩き旅応援舎 (@arukitabiouen) July 17, 2021
都内一等地の格付け基準とは
都内一等地の格付け基準ですが、明確に以下の七つがあります。
- 価格水準
- 希少性・供給制限
- 立地優位性
- 住環境の質
- 需要層の質
- ブランド・歴史性
- 市場安定性
順番に見ていきましょう。
格付け基準①:価格水準
一等地を判断するうえで最も分かりやすい指標が価格水準です。公示地価や基準地価の絶対額に加え、実勢の成約坪単価やマンション専有坪単価が重要になります。ただし単純な最高値ではなく、一定範囲で高水準が継続しているかが本質です。
さらに総額レンジがどの層を対象としているか、景気後退局面でも大きく崩れていないかといった推移の安定性も格付けに直結します。
格付け基準②:希少性・供給制限
価格を支える根本要因は供給制限です。第一種低層住居専用地域の比率、建蔽率・容積率の厳しさ、敷地の細分化が進みにくい構造などが該当します。流通件数が少なく、出物自体が限定的であるほど希少性は高まります。
また再開発余地が小さい、あるいは既に成熟しているエリアは新規供給が抑制され、長期的に価値が維持されやすい傾向があります。
格付け基準③:立地優位性
都心一等地は、都市中枢へのアクセスで明確な優位性を持ちます。大手町・六本木・渋谷など主要業務拠点への所要時間、複数路線の利用可否、駅距離が基本指標です。
加えて高台や南傾斜地など地形条件も評価対象になります。単に便利というだけでなく、都市機能と物理的優位性の両立が格付けを左右します。
格付け基準④:住環境の質
高価格であっても住環境が劣れば一等地とは言えません。低層中心の街並みが維持されているか、幹線道路や商業施設による騒音が少ないか、公園や緑地が近接しているかが重要です。
景観条例や建築協定があるエリアは街並みが守られやすく、治安水準も含めて総合的に住宅地として完成しているかが評価軸になります。
格付け基準⑤:需要層の質
価格を安定させるのは、どの層が購入・居住しているかです。経営者や資産家、外資系幹部、大使館関係者、医師・士業など高所得層の居住実績は重要な指標です。高額賃貸市場が成立しているかどうかも需要の厚みを示します。
購買層の信用力が高いほど、価格は景気変動に対して強くなります。
格付け基準⑥:ブランド・歴史性
戦前からの邸宅地形成や、住所としての認知度は長期的な価格維持に影響します。名門校や文化施設の集積、過去の著名人居住実績などは市場心理に作用します。
一等地は短期的な話題性ではなく、数十年単位で形成されたブランドを持つ点が特徴です。歴史と市場認知の積み重ねが格付けを安定させます。
格付け基準⑦:市場安定性
最終的な格付けは市場の安定性で判断されます。売却期間が極端に長くならないか、リセール事例が安定しているか、価格変動幅が小さいかが重要です。
景気後退局面での下落幅や回復速度も評価対象になります。単に高いだけでなく、長期的に価値を維持できる構造を持つエリアが一等地と位置付けられます。
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【東京都】金持ちしか住めない高級住宅街ランキング:まとめ
今回は、東京都内の高級住宅街を実勢価格や公示地価、流通特性を踏まえて整理しました。麻布や番町のように坪単価が都内最上位水準で推移するエリアもあれば、田園調布や成城のように住環境と用途制限によって価値が守られているエリアもあります。価格の高さそのものは結果であり、その背景にある構造こそが一等地を決定づけます。
都内一等地の本質は、高水準の価格が継続していること、供給が構造的に増えにくいこと、そして購入層の信用力が高いことにあります。この三要素が揃うことで、景気変動局面でも価格が大きく崩れにくい市場が形成されます。単に話題性がある、あるいは一時的に高騰しているだけのエリアとは明確に異なります。
不動産は居住財であると同時に資産でもあります。だからこそ、地名のブランドや表面的なランキングだけで判断するのではなく、価格形成の構造や供給制限の有無まで踏み込んで理解することが重要に。
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