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【落とし穴】築20年のマンション購入は後悔する?デメリット/メリットを解説!

【落とし穴】築20年のマンション購入は後悔する?デメリット/メリットを解説!

最近は新築や築5年以内の築浅物件のみならず、築20年前後のマンション購入を検討される方が多くなりつつあります。

また東京都内などの主要都市部を中心に、マンションの平均築年数が伸びているという背景も。

新築と比較すると価格も割安かつ、内装や設備面でも不自由することは少ない築年数として購入を検討されているものの「後悔することはないだろうか?デメリットは本当にない?」と気になられている方もおられるでしょう。

そこで今回は、「築20年のマンション購入のデメリットとメリット」について累計取引数5000以上の不動産のプロが徹底解説します。

本記事を読むことで、築20年のマンション購入により後悔するケースやパターンを知り未然に防ぐことができますよ。

この記事の監修者
監修者 大槻陽一
大槻 陽一

株式会社GKコンサルティング代表取締役。累計5,000件以上の不動産契約の実績を持つ。仲介手数料が0円になる39room/01HOUSEを提供中。

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目次

【基礎知識】築20年のマンションの寿命

そもそも築20年のマンションは、いつまで住めるのか気になる方もおられるでしょう。まずは基礎知識として、築20年のマンションの寿命について説明しますね。

建築基準法や地方自治体の条例に基づく建築物の耐用年数の設定を参考にした、マンションの主要構造様式ごとの耐用年数は以下の通り。

建物構造耐用年数の範囲
鉄筋コンクリート造 (RC造)約50年〜60年
鉄骨鉄筋コンクリート造 (SRC造)60年以上
鉄骨造 (S造)約40年〜50年

ただし、上記の耐用年数は実際の建物管理や環境条件によって大幅に長くなることも

事実、国土交通省や関連する建築専門の調査によると、耐震補強や劣化した部材の交換、設備の更新を含んだ定期的な大規模修繕等、建物全体の状態を常に良好に保つことを前提とした場合にRC造(鉄筋コンクリート造)やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)は120年持つという推定もされています。

また、2000年以降に建設されたマンションについては長期修繕計画をもとにした定期的補修が行われているものが多いため、築20年前後のマンションの場合は、法定耐用年数より長く住めることはまず間違いないと考えてよいでしょう。

築20年のマンション購入をするメリット

続いては、築20年のマンション購入をするメリットについて解説します。

結論、それは以下の通り

メリット①:新築/築浅マンションよりも割安

築20年のマンションは一般的に新築や築浅マンションよりも割安です。

公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)の情報を参考に、2024年1月~3月の首都圏中古マンションの成約価格相場と築年数の関係を以下の表にまとめてみました。

また、築0年~5年の新築/築浅マンションの成約価格相場を基準とした値下がり率についても算出しています。

築年数成約価格相場 値下がり率
築0~5年8,899万円0%
築20年6,925万円23%
築25年5,987万円33%
首都圏中古マンション・中古戸建住宅
地域別・築年帯別成約状況
【2024年01~03月】

つまり、築20年前後のマンションは新築の価格相場の概ね8~7割前後の値段で購入をすることができるということ。

需要拡大に伴い、昔と比較して築20年超えマンションの価格自体高騰している現状があるものの新築や築浅マンションと比較すると価格相場は割安になることは間違いないです。

メリット②:立地が良好

築20年のマンションは立地が良好であるケースが多いというメリットも。

日本では新築マンションの供給は、2013~2015年頃までをピークとして減少トレンドとなっている現状があります。

そのため、駅近や商業施設付近など利便性の高い立地を考慮した場合に新築や築浅にこだわるとどうしても物件選択肢が限定的になることも。

特に都心などで昔から人気を集めていたり、駅近の立地が良い場所では新築マンション建設よりもリフォームやリノベーション施工が施されたマンションが多くたたずんでいることも珍しくはないのです。

メリット③:耐震基準を満たしている

厳格な耐震基準を満たした設計がなされていることがほとんどであることもメリットと言えます。

1995年の阪神淡路大震災後に多くの建築物が倒壊したことで、その脆弱性を危惧した日本政府は耐震技術の改善と法規制の強化を急速に進め、2000年に建築基準法の改正へ。

結果、その時期に以前よりもはるかに厳しい耐震設計基準である「新耐震基準」の導入が進められたという歴史があるのです。

ゆえに築20年前後のマンションはこのような歴史的背景から、現在の厳しい耐震基準につながる過渡期に建てられているパターンがほとんどといえるのです。

メリット④:住宅ローン控除による節税効果

住宅ローン控除による節税効果で期待できるのも大きなメリットでしょう。

住宅ローン控除は、物件の築年数が25年以内である場合に適用されることが一般的。築20年のマンションはこの条件をクリアしているのです。

また、住宅ローン控除の適格要件に耐震基準を満たしていることが含まれるのですが、築20年のマンションは先述したように問題がない設計をしていることがほとんど。

さらに築20年のマンションは、昨今の需要拡大の状況からも比較的高価で取引がされることも多く、ローン残高に応じて控除額が計算されることを考慮した場合に金融機関からの融資条件が比較的良好になることが期待できます。

メリット⑤:広い専有面積

最後のメリットは、広い専有面積を持っていること。

実は新築や築浅のマンションと比較すると築20年のマンションは、広く作られている傾向があります。

公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)によると以下のような統計結果が確認できました。

                引用元:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)

確かに築20年前後のマンションの平均面積が一番広いことが分かりますね。

家族連れなど、とにかくマンションの広さにこだわりたいという方には、築20年前後のマンションはコスパ良く条件にあっている可能性が高いです。

【落とし穴】築20年のマンション購入をするデメリット

ここまで解説したように築20年のマンションは人気を集めるだけのメリットがきちんとあります。

しかし、落とし穴を知らずに購入することで後悔するケースも

ここからは以下の、築20年のマンションを購入することのデメリットについて解説します。

順番に詳しく説明していきますね。

デメリット①:急に高い修繕費用が発生する

一つ目のデメリットは急に高い修繕費用が発生する可能性があるというもの。

築20年のマンションの場合、ちょうど1回目の大規模修繕の時期に差し掛かるケースがしばしば

万が一、長期修繕計画に向けてここまでの修繕費用の積み立てがうまくいっていなかった場合に2回目の修繕工事に向けて急に管理費や修繕積立金の値上げが実行されるリスクがあります。

毎月のローン支払いがある中、マンション購入直後に予期せぬ追加の支払いが毎月発生することは誰しも避けたいですよね。

デメリット②:住宅ローンの制限がある

築20年のマンションの購入の場合に住宅ローン制限があることもデメリットでしょう。

具体的には、住宅ローンの借入金額や借入期間に上限があるということ。日本の金融機関の場合は住宅ローンの借り入れ期間は法定耐用年数から築年数を差し引いて設定することが一般的です。

つまり、鉄筋コンクリート造の築20年マンションでは法定耐用年数47年から築年数20年を引いた27年が借り入れ期間に

新築や築浅マンションと比較すると、短い返済期間でローンを完済しなければならないため毎月の支払金額の負担が大きくなるリスクがあるのです。

また、住宅ローン融資は担保である物件価値に応じて金額が決まるため、借り入れ金額上限が想定よりも少ないケースもしばしば。

ただしこれらのことは金融機関によって、ルールが変わるところでもあるので事前に確認が必要でしょう。

デメリット③:売却が困難な可能性あり

三つ目は売却が困難な可能性があるというもの。

築20年のマンション自体は、最近特に実需が上がっていることから人気も高いといえますが、将来的に築年数が重んでしまうことで売却が難しくなることも考えられます。

例えば、築40年~50年を超えてしまうとマンション自体の価値は新築時よりも約70%以上落ち込むことが一般的

リノベーションやリフォームなどの付加価値なしでは、築年数がかさめばかさむほど売却は難しくなるのが一般的なのです。

【SNS調査】築20年のマンション購入した人の声

続いては、実際に築20年のマンションを購入した人の声をSNSで調査してみました。

別観点からリアルな声を確認してみましょう。

声①:昔より価値が上がっている

親が西宮ガーデンズができる前に、なんとなく買った築20年、駅徒歩3分の3LDKマンション。
購入時よりも価値が上がってて、自分が今までに買った1棟アパート×3棟分くらいの価値になってるんだけど欲しすぎるww

声②:ローンの返済貧乏に陥っている

借りれる上限ギリギリまでローン借りて築20年のマンション購入して返済貧乏に陥っているようだなキリッ
今月も赤字キリッ
その中で旦那ひとりで月15万使ってることが発覚

声③:中は最高、外は古い

今、築20年越えのマンションをフルリフォームして住んでいて、中は新築と同じ、ピカピカで最高なんですが、外はやっぱり結構年季が入ってて、外廊下やエレベーターなんかは古いなぁ、て感じなんですよ。中にいる時は夢の国で、外に出た瞬間、舞浜駅、的なことになっております

声④:相場より安く立地も良い

実は家、買ってました(うっすらわかってた人いると思うけど)
中古マンション、大規模修繕済み、駅近、コンビニ・スーパーすぐ近く。築20年以内。とにかく便利、何かあっても売れる&老後も困らん立地なのに相場より安かったのが決め手。
家の中が多少痛んでたのでリフォームして、死ぬ程いいです!!

声⑤:なかなか売れない

築20年の分譲マンションがなかなか売れないようだ。ローンも残ってるし、、身体も万全でなく仕事も思うようにできなくて。健康な40代の時の大きな負債。
先の事わからんもんね、離婚、不健康な60代想像できなかったってさ

築20年のマンション購入した人の声:まとめ

築20年のマンション購入した人の声をまとめると以下の通り

築20年のマンション購入した人の声
  • 昔より価値が上がっている
  • ローンの返済貧乏に陥っている
  • 中は最高、外は古い
  • 相場より安く立地も良い
  • なかなか売れない

築20年のマンションを購入して良かったという人が多数、強い後悔とまではいかなくても築20年のマンション購入のデメリットを体験している人をちらほら確認することができました。

リノベーションやリフォームにより、築20年による設備や内装周りの古さをカバーすることで充実した生活環境を確保できている人が多い印象。外装など外側の部分はやはり古いと感じてしまう人もいるようですが。

また、都市部を中心に昔より築20年のマンションの価値が圧倒的に高騰していることについて述べている人の声も多くみられました

ローン返済による家計の圧迫や、築20年のマンションでも条件や場所によっては全く売れないというデメリットや後悔に触れているものも見逃せません。

築20年のマンション購入で後悔しないためのチェックポイント

ここからは築20年のマンションのメリットとデメリット両方をしっかりと把握したうえで、後悔のないマンション購入をしたい人に向けての内容です。

築20年のマンション購入で後悔しないためのチェックポイントは以下の6つ

順番に見ていきましょう。

チェックポイント①:修繕積立金やメンテナンス状況

築20年のマンション購入にあたってこれまでの修繕積立金の積み立て状況やメンテナンス状況を事前に確認しておくことは重要です。

具体的には、管理組合から提供される修繕積立金の過去履歴や将来の計画を示す資料を確認するのがおすすめ。修繕積立金の収支明細、積立状況、過去に行われた修繕工事の記録が分かるでしょう。

さらに、長期修繕計画書を確認したうえで今後予定されている修繕が計画通りに行われるために必要な費用が今時点で積立てられているかのチェックも欠かさずに。

念のために耐震基準を十分に満たした設計構造をしているかどうかの確認もしておくとベストです。

チェックポイント②:無理のない返済計画が可能かどうか

ローンでマンションを購入する場合であれば、無理のない返済計画が可能かどうかを事前に入念に確認しておいた方がよいでしょう。

ローン審査を通過して、金融機関から融資が無事受けられたとしても、後々返済が困難になるケースも。

余裕のある返済計画を立てるために、事前に以下のポイントを意識しておくのがおすすめです。

無理のないローン返済計画のためのポイント
  • 月収と返済額のバランスを考える…月々の住宅ローン返済額は月収の25%から30%以内に収めるのが理想
  • ローンの期間と金利を検討する…月々の返済額と利息分のバランスを考える
  • 物件の将来的な価値を考慮…将来的な売却を考えた場合の物件価値を評価
  • 将来の収入変動を考慮…将来の収入減少や退職後の収入に備える

返済金額を考えるうえで、年単位で支払いが発生する固定資産税や都市計画税の金額も考慮しなければなりません。勿論、先述した修繕積立金や管理費用の分もお忘れなきように。

また、ローンにも金利の変動に合わせて利息分の金額が変わるタイプと、利息分は固定金額となるタイプなど多数の種類があることを前提に、将来的な経済計画と照らし合わせが必要です。

チェックポイント③:内装や設備の劣化具合

部屋の内装や設備の劣化具合をチェックすることも重要。

これは実際に入居してからすぐに、配管などの設備劣化が目立ち修理が必要になったり不便な生活を強いられるようになる等を避けるためです。

また、部屋の内装周りの古さが気になる場合はリノベーションやリフォームによって問題解決でできるかどうかを購入前に専門家に相談しておくのもよいでしょう。

チェックポイント④:空室率や居住者の年齢層

マンションの空室率や、居住者の年齢層は購入前にチェックしておきましょう。

空室率が高いと、建物自体の人気がなかったり管理状態が悪い可能性があり、将来的な資産価値の大幅減少や修繕積立金の増加リスクにつながることも。

また入居者の年齢層が高い場合将来的に多くの住民が移住や施設入所を検討する可能性があり、空室率の増加を招くと考えられます。

逆に若年層や子育て世代が多い場合、その地域の施設や環境が家族向けや若い世代の向けて整っていることから、今後も人気を集めやすく将来的にも資産価値が維持される可能性が高いという判断に。

チェックポイント⑤:災害リスクのあるエリアかどうか

地震や洪水、土砂災害など災害リスクが高いエリアにマンションがある場合、長期的に見てマンションの資産価値が低くなり後の売却がうまくいかなくなる可能性が出てきます。

また、災害リスクが高いエリアの不動産は住宅ローン利用時の加入保険料が割高になる傾向も。

災害リスクのあるエリアかどうかの確認には、地方自治体が提供するハザードマップや地盤情報、過去の災害データなどを確認することがおすすめです。

チェックポイント⑥:周辺エリアのマンション相場や築年数

マンション購入前に周辺エリアのマンション相場や築年数を把握しておく必要があります。

何故なら、検討している築20年のマンションの今後の資産価値を考慮するうえで非常に重要な指標であるため

周辺エリアのマンションの価格相場を理解することで、購入予定のマンションが適正価格であるかを判断ができますし、平均築年数を知ることでそのエリアの開発予定やマンション自体の今後の資産価値についての予想が立てやすくなります。

築20年のマンションの資産価値は?

最後に築20年のマンションの資産価値について考えてみましょう。

公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)の情報をもとに首都圏中古マンションの2013年~2023年における成約価格と平均築年数の推移を以下の表へまとめました

成約価格(万円)築年数(年)
20132,58919.27
20142,72719.63
20152,89220.13
20163,04920.26
20173,19520.7
20183,33321
20193,44221.64
20203,59921.99
20213,86922.67
20224,27623.33
20234,57523.83
首都圏不動産流通市場の動向(公益財団法人東日本不動産流通機構)

ここ10年の傾向として中古マンションの成約価格はどんどん高騰しており、同時に平均築年数も上がってきているといえます。

築20年のマンションの需要と価格は年々高まっているのです。

今後の中古マンション市場について

先述の通り、現在の日本では新築マンション建設ピークが過ぎ、中古マンション市場が過熱しているといえます。

今後、都市部の人気が高い主要エリアでは築20年のマンションが今以上に重宝される可能性も十分にあります

しかし、日銀が2024年3月19日の金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除を決め、実に17年ぶりに政策金利を引き上げたり日本人口全体が減少傾向にあることなどを考慮すると不動産価格の変動は長期的には読みづらい部分も。

しかし、リノベーションやリフォームなど建築施工技術は日々躍進を遂げており、築年数がこれまでより長いマンションの需要は当分続くと思われます。

築20年のマンション購入は後悔する?:まとめ

築20年のマンション購入をすることのメリットとデメリットを双方解説しました。

デメリットがないわけではないものの、中古マンションの中でも築20年のマンションは現在最も需要があるといっても過言ではない人気ぶり。

メリットとデメリットを踏まえて、自分の検討軸と照らし合わせて判断すれば後悔することはないはずです。

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