「賃貸の初期費用が高すぎる」
と感じる方は多いでしょう。家賃にもよりますが、初期費用が平気で40万円,50万円もかかってしまい、引っ越しの度に家計に大ダメージですよね。
しかし、実は賃貸の初期費用の中には払わなくてもいいものや、交渉して安くできる項目などが多数あるのはご存じでしょうか。
今回は不動産歴10年以上で5,000件以上の契約実績のあるプロが「賃貸の初期費用で払わなくていいもの/交渉できる項目」を徹底解説します。
本記事を読むことで、賃貸の初期費用を10万単位で安くできるので、ぜひ最後までご覧ください。
と言いつつ、先に結論をまとめましょう。
項目 | 払う必要性 | 費用相場 | 支払先 |
---|---|---|---|
敷金 | 交渉次第 | 家賃1ヵ月 | 大家/管理会社 |
礼金 | 交渉次第 | 家賃1ヵ月 | 大家/管理会社 |
鍵交換 | 払う必要あり | 2万円~3万円 | 大家/管理会社 |
火災保険 | 払う必要あり | 1万円~2万円 | 保険会社 |
書類作成 | 払わなくていい | 1万円~3万円 | 不動産 |
簡易消火器 | 払わなくていい | 1万円~3万円 | 大家/管理会社 |
仲介手数料 | 払わなくていい | 家賃1.1ヵ月 | 不動産 |
日割り家賃 | 交渉次第 | 家賃半月 | 大家/管理会社 |
消臭抗菌コート | 払わなくていい | 1万円~3万円 | 大家/管理会社 |
保証会社加入料 | 払う必要あり | 家賃1ヵ月 | 保険会社 |
安心入居サポート | 払わなくていい | 1万円~2万円 | 大家/管理会社 |
ハウスクリーニング | 交渉次第 | 5万円~ | 大家/管理会社 |
ざっくり「払わなくてもいいもの、交渉次第のもの、払う必要があるもの」と3つに区分分けできます。
本記事では、それぞれの区分ごとに裏話を交えつつ詳細を解説し、最後に初期費用を10万円単位で安くできる方法を解説しますね。
株式会社GKコンサルティング代表取締役。宅地建物取引士として、累計5,000件以上の不動産契約の実績を持つ。仲介手数料が0円になる39room/01HOUSEを提供中。
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賃貸の初期費用で払わなくていいもの
まず、賃貸の初期費用で払わなくていいものは以下5項目となります。
順番に見ていきましょう。
払わなくていいもの①:書類作成
項目 | 費用相場 | 支払先 |
---|---|---|
書類作成 | 1万円~3万円 | 不動産 |
書類作成費用は払わなくてOKです。
基本的に不動産に対して支払うべき報酬は仲介手数料です。仲介手数料に書類作成費用は交渉費用など、諸々の費用が含まれているので、別途書類作成などの費用を支払う必要はありません。
ケースバイケースですが、ぼったぐり項目と捉えてもOKです。もし書類作成や事務処理などの費用が記載されていれば、誰に払うどんな費用なのかを聞いてみましょう。
払わなくていいもの②:簡易消火器
項目 | 費用相場 | 支払先 |
---|---|---|
簡易消火器 | 1万円~3万円 | 大家/管理会社 |
2つ目は簡易消火器です。
アパートやマンションなどであれば、廊下などの共用部分にすでに消火器が設置されているからです。わざわざ部屋の中に簡易消火器を導入する必要はありません。
そもそも消防法では、延べ面積が150㎡以上の共同住宅に消火器の設置が義務付けられているだけです。なので、部屋の広さが150㎡以上でない場合、消火器の設置は義務になりません。
アパートやマンションで150㎡以上の部屋は、ほぼほぼないので、基本的には簡易消火器は不要という認識で問題ありません(火事が不安な場合など、もちろん設置するのも自由です)。
払わなくていいもの③:仲介手数料
項目 | 費用相場 | 支払先 |
---|---|---|
仲介手数料 | 家賃1.1ヵ月 | 不動産 |
3つ目は仲介手数料です。
仲介手数料は不動産会社が、借主と貸主の契約仲介を行うことで、双方から手数料を頂戴するという仕組みです。
まず宅地建物取引業法46条にて、仲介手数料の上限は家賃1.1ヵ月分と定められています。なので、家賃1.1ヵ月分以上を請求されたら、やばい不動産会社だと認識しておきましょう。
また、仲介手数料は借主と貸主で家賃0.55ヵ月分ずつを負担するのが原則。そのため仲介手数料は家賃0.55ヵ月分までは交渉することが可能です。ただ、双方の同意があれば片方が全額を負担できる特例があり、現状は借主が全額負担をする契約が多くを占めています。
仲介手数料を確実に今より安くする裏技は以下にて解説しているので、ぜひ合わせてご覧下さい。
>>【100%】仲介手数料をメール交渉する例文!言い方からタイミングまで徹底解説
払わなくていいもの④:消臭抗菌コート
項目 | 費用相場 | 支払先 |
---|---|---|
消臭抗菌コート | 1万円~3万円 | 大家/管理会社 |
4つ目は消臭抗菌コート費用。
消臭抗菌や除菌系の費用は、いわばぼったぐり項目です。もちろんすべてがぼったぐりとは言えませんが、基本的には消臭スプレーを巻く程度のこと。
入居するタイミングで掃除や除菌をすればOKなので、わざわざ1万円~3万円も支払う価値はありません。私も過去に消臭抗菌費用を支払いましたが、部屋は埃が溜まっており掃除は全くなっていませんでした。強く後悔した思い出があります。
とはいえ、今では消臭抗菌コートを必須項目としており、そもそも交渉不可としている物件も多いので、払わないスタンスに固執すると、契約自体を拒否されるので注意が必要です。
>>【ゴキブリ】賃貸の消毒料は何してる?引っ越し前の害虫駆除は意味ない/いらない?
払わなくていいもの⑤:安心入居サポート
項目 | 費用相場 | 支払先 |
---|---|---|
安心入居サポート | 1万円~2万円 | 大家/管理会社 |
5つ目は安心入居サポートです。
何かあった時に24時間ポートしますよという名目なのですが、ぶっちゃけ火災保険に加入していれば不要です。内容が重複するだけなので、正直、大家や管理会社のかさまし費用です。基本的に払い損になることが多いので、外せそうなら交渉して外してもらいましょう。
ただ、最近では安心入居サポートに加入しないと契約できないケースも多いので、その場合は諦めて加入するか、できそうならクーリングオフで対応しましょう。
本来は払わなくてもいいものだが、契約上外せない項目も多いので、交渉して難しければ、受け入れるか業者を変えてみましょう!
賃貸の初期費用で交渉できる項目
次に、賃貸の初期費用で交渉できる項目は以下4選となります。
順番に見ていきましょう。
交渉できる項目①:敷金
項目 | 費用相場 | 支払先 |
---|---|---|
敷金 | 家賃1ヵ月 | 大家/管理会社 |
1つ目は敷金です。
敷金とは、退去費用に備えて大家さんに預けておくお金のこと。退去の際に発生する現状回復費用に充てられることが多いです。基本的には家賃1ヵ月分ほどの費用で、退去費用の方が少なければ、現状回復費用を差し引いた金額が返金されます。
敷金は支払うことが多い項目ですが、あまりに金額が高い場合や返金がない場合は、それぞれ尋ねてみましょう。
交渉できる項目②:礼金
項目 | 費用相場 | 支払先 |
---|---|---|
礼金 | 家賃1ヵ月 | 大家/管理会社 |
2つ目は礼金です。
礼金は大家への感謝費用です。要するに、家を貸してくれてありがとうと伝えるために、収める金額というわけですね。日本特有の項目で返金はされません。ただ、礼金は時代遅れの風習に近く、今ではかさまし費用の項目として認識する人も少なくありません。
いつも思うんだけど更新料とかさ礼金とか普通に詐欺じゃね? #賃貸 pic.twitter.com/wTq2OnnleG
— きらきらの裏 (@kirakirelax) February 29, 2024
いつも思うんだけど更新料とかさ礼金とか普通に詐欺じゃね?#賃貸
というか前に友達と話していてびっくりぢたんだけど、敷金礼金あたり、東京大阪あたり以外はほとんどないらしい。あれまじで詐欺だと思う。
— Shibuya (@ShibuyanoOL) February 21, 2024
というか前に友達と話していてびっくりぢたんだけど、敷金礼金あたり、東京大阪あたり以外はほとんどないらしい。あれまじで詐欺だと思う。
あくまで借主が感謝の気持ちとして払う項目であり、強制されるべき項目ではありません。支払う必要性はないので、不動産会社を通して交渉してみるのも良いでしょう。
礼金という制度が産まれた歴史的背景
礼金の起源には複数の説がありますが、一般的には以下のような歴史的背景から誕生したとされています。
- 封建時代の影響:
- 日本の封建時代、武士や商人が領主や地主への敬意を示すために贈り物をしたことが礼金の原型とされています。この習慣が現代の不動産取引における礼金に影響を与えたと考えられています。
- 近代化の流れ:
- 明治時代以降、日本が近代化を進める中で、都市部の人口が増加し、住宅需要が高まりました。この時期に、住宅を借りる際に地主への感謝の意を表すために、金銭を支払う習慣が定着したとされています。
- 戦後の住宅事情:
- 第二次世界大戦後、日本の住宅市場は深刻な供給不足に直面しました。この時期に、限られた住宅資源を確保するために競争が激化し、貸主への感謝を示すためにより多くの礼金を提供する習慣が強化されました。
交渉できる項目③:日割り家賃
項目 | 費用相場 | 支払先 |
---|---|---|
日割り家賃 | 家賃半月 | 大家/管理会社 |
3つ目は日割り家賃です。
入居するタイミングが月中や月末の場合、月初になるまでの数日間の家賃を日割りにして支払うという項目です。
例えば、家賃10万円で入居が7/25日の場合、8/1まで6日間あるので、19,355円(日割り家賃3,225.8円×6日)を支払う必要があるといった感じ。
ただ、物件によっては日割り家賃をまけてくれたり、フリーレントとして0円にしてくれたりなど、交渉の余地がある項目です。
特に閑散期や物件の空き時間が長い場合に、フリーレントなどをしてくれる可能性が高いです!
交渉できる項目④:ハウスクリーニング
項目 | 費用相場 | 支払先 |
---|---|---|
安心入居サポート | 5万円~ | 大家/管理会社 |
4つ目はハウスクリーニング費用。
入居前に初期費用として払うケースと、退去時に払うケースがあります。必須項目にされやすいですが、実際は払う必要はないです。
借主は退去時に現状回復の義務はありますが、敷金を支払っていれば、現状回復費用を別途支払う必要性はありません。また、借主に落ち度がない場合も、現状回復費用を支払う必要はありません。
2020年4月に現状回復に関する民法が改正されており、国土交通省より公式に通達が出ている内容です。ただ、敷金と現状回復費用の二重取りをする業者もいるので、その場合は交渉をしてみましょう。
「値引いて当たり前」のような態度だと交渉は上手くいかないので、あくまで丁寧なコミュニケーションを心がけましょう!
賃貸の初期費用で必ず払う必要がある項目
次に、賃貸の初期費用で必ず払う必要がある項目は以下3選となります。
順番に見ていきましょう。
必ず払う必要がある項目①:鍵交換
項目 | 費用相場 | 支払先 |
---|---|---|
鍵交換 | 2万円~3万円 | 大家/管理会社 |
1つ目は鍵交換費用です。
実を言うと、鍵交換は必須ではありません。ただ、前と同じ鍵を使うのは、防犯の観点上よろしくないです。
なので、基本的には鍵交換は必須と捉えておきましょう。ただ、5万円など明らかに高額な設定をされている場合は、かさましの可能性が高いので、理由を尋ねましょう。
必ず払う必要がある項目②:火災保険
項目 | 費用相場 | 支払先 |
---|---|---|
火災保険 | 1万円~2万円 | 保険会社 |
2つ目は火災保険です。
法律上、火災保険への加入は任意ですが、基本的には契約に含まれていますし、加入をしておくことをおすすめします。
火災や水害、水漏れ、家具の損傷、盗難被害など、様々なケースで火災保険がおります。PCの破損等も適用できるケースがあるので、上手く使えばペイできる保険です。
ただ、物件によっては火災保険が指定されている場合があり、相場よりも高いケースが多いです。安い火災保険だと1万円以下ですが、物件によっては3万円を超えることも。
明らかに高いなと感じた場合は、火災保険に加入後にクーリングオフして、安い火災保険に加入し直すのが角も立たずおすすめですよ。
必ず払う必要がある項目③:保証会社加入料
項目 | 費用相場 | 支払先 |
---|---|---|
保証会社加入料 | 家賃1ヵ月 | 保険会社 |
3つ目は保険会社加入料です。
賃貸の契約時には2~3頭身以内の連帯保証人をたてるか、保証会社に保証人としてたってもらい保証料を支払う必要があります。
どのみち必須の項目ですが、保証会社に加入すると家賃1ヵ月分程度の費用が発生します。なので、節約したい場合は、連帯保証人をたてると良いでしょう。
ただ、物件によっては指定する保証会社の加入が必須のケースもあるので、連帯保証人をたてるのが難しいこともあります。
コストカットは考慮しつつも、払うべき項目はしっかりと払いましょう!
【高すぎる】賃貸の初期費用を安くする方法
賃貸の契約は様々な項目で課金されます。それ故に「賃貸の初期費用が高すぎる..」と感じる方も多いでしょう。
なので、最後に賃貸の初期費用を安くする方法を解説していきますね。
- 敷金礼金のない物件探す
- フリーレントの物件を探す
- 相見積もりしつつ交渉を行う
- 仲介手数料の安い業者を選ぶ
- 連帯保証人をたてる契約にする
順番に見ていきましょう。
安くする方法①:敷金礼金のない物件探す
まず敷金礼金ゼロ円の物件探しましょう。
敷金と礼金はそれぞれ家賃1ヵ月分の費用です。なので、敷金礼金をゼロにできれば、家賃2ヵ月分の初期費用が安くなります。家賃が10万円なら、初期費用20万円のカットができるわけです。
最近では、差別化のために敷金礼金をゼロ円にする物件もあるのでリサーチしてみましょう。フィルターをかけて検索すれば、すぐに見つかりますよ。
安くする方法②:フリーレントの物件を探す
フリーレント物件も魅力的です。
例えば、1ヵ月分の家賃をフリーにしてくれるケースや、日割り家賃をゼロ円にしてくれるケースなどがあります。こちらも家賃1ヵ月分程度が初期費用からカットできるでしょう。
フリーレント物件は閑散期に多くなる傾向にあるので、引っ越しを3,4月や9,10月など繁忙期ではなく、閑散期に合わせることで初期費用を安くできる可能性が上がります。
安くする方法③:相見積もりしつつ交渉を行う
相見積もりをしての交渉も大切です。
仮に敷金礼金ゼロ円のフリーレント物件でも、その他の項目でかさましされるケースが多いです。結果的に、安く見えて初期費用はあまり変わらないことはあるある。
なので、複数社に見積もりを出してもらって、その上で払わなくてもいいものと交渉できるものを交渉しましょう。
とはいえ、多くの項目は契約に含まれており「うちでは交渉不可です」という会社も少なくないので、その場合は諦めるほかありません。
安くする方法④:仲介手数料の安い業者を選ぶ
仲介手数料が安い業者を選ぶのも大切。
物件自体は政府が公表しているレインズというポータルサイトをマスタにしているため、どの不動産会社でも取り扱える物件にほぼ差はありません。仲介手数料が安いからと言って、物件数が少ないなんてことはないんです。なので、安い業者を選ぶべき。
最近では、仲介手数料が無料の不動産会社もあります。例えば、弊社で提供している39roomは仲介手数料が無料です。物件によりますが、最大でも39,000円です。
そういや、引っ越しが無事終わったタイミングに言おうと思って言いそびれたこと思いだした。今回仲介手数料無料 or 39,000円で不動産仲介を請け負ってくれる39roomってサービス使ったけど安く引っ越しが済んで良かったhttps://t.co/MxZhL25SNI
— \(🌸)/ (@_bannzai_) June 30, 2019
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すでに5,000件ほどの契約実績もあるため、仲介の質も問題ありません。おとり物件のチェックもできるので、興味のある方は是非ご活用ください。
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安くする方法⑤:連帯保証人をたてる契約にする
最後は連帯保証人をたてる方法です。
保証会社に加入すると家賃1ヵ月分ほどの費用が発生しますが、連帯保証人をたてればその分のコストを安くできます。ただ、2~3頭身以内の親族が条件になるのと、そもそも契約に保証会社への加入を組み込まれているケースもあります。
なので、交渉次第と言えるでしょう。連帯保証人制度の活用が無理なら、諦めて保証会社への加入をしましょう。
上記5つを行えば、初期費用を10万円単位で安くできることもありますよ!
賃貸の初期費用で払わなくていいもの:まとめ
賃貸の初期費用はかさましが多いです。
不動産業界も競争が激しいため、安さで顧客を集める業者も多い一方で、かさましをして一顧客当たりの単価を上げようとする業者も多いです。
なので、何社かに初期費用の相見積もりを取り、その上で交渉を繰り返していくのが賢い選択だと言えるでしょう。
39roomであれば、そもそも仲介手数料の交渉自体が不要になるので、交渉が面倒な方や騙されたくない方は、ぜひご活用ください。
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