賃貸のハウスクリーニング代は、本来は貸主側が負担すべき費用だと国土交通省がガイドラインを出しています。
しかし、借主側がハウスクリーニング代を負担することが多いのが現状。仲介手数料と同様に、原則とは異なり、費用負担が借主になってしまっています。
そこで今回は「賃貸のハウスクリーニング代は入居時に拒否できるのか?」を不動産のプロが徹底解説していきます。
本記事を読むことで、ハウスクリーニング代の裏側を知ることができ、無駄な費用を払わずに済みますよ。
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賃貸のハウスクリーニング代は入居時に拒否できる?
結論から言うと、賃貸のハウスクリーニング代を入居時に拒否するのは難しいです。
理由は単純で拒否すると、入居自体を拒否されるケースが多いから。「クリーニング代の負担を飲まないなら、入居は認められません」というスタンスが多いという話です。
ただ、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、本来ハウスクリーニング代の負担は貸主であるべきとの記載があります。しかし、借主がハウスクリーニング代を負担しているのが現状。
ハウスクリーニング代を借主が負担するのは特約があるから
では、なぜハウスクリーニング代を借主(入居者)に負担させることが出来るのか?それは特約を締結しているからです。クリーニング代を借主が払うという特約です。
もちろん特約は双方の合意が必要ですが、基本スタンスが「クリーニング代の負担を飲まないなら、入居は認められません」なので、結局は借主がクリーニング代を払うことになるのが現状です。
まとめると、本来はハウスクリーニング代は貸主負担だが、特約により貸主が負担する契約になっており、拒否はできるものの入居自体を拒否される可能性も高い、といった感じです。
基本的にハウスクリーニング代を拒否するのは難しいのが現状なので、その他の初期費用等をしっかりと交渉して節約していく方が賢明と言えるでしょう。
>>【高すぎる】賃貸の初期費用で払わなくていいもの5選!交渉できる項目まで不動産屋が解説
賃貸のハウスクリーニング代を拒否できるケース
ただ、特約にも穴はあって、ある項目に該当する場合は特約を無効と判断することが可能です。
具体的に、賃貸のハウスクリーニング代を拒否できるケースは以下の通りです。
順番に見ていきましょう。
拒否できるケース①:明らかに高額である
まず明らかに高額である場合です。
国土交通省の原状回復をめぐるトラブルとガイドラインでは、特約を有効か無効か判断する際の基準として、「費用として妥当か」というものがあります。
つまり、明らかに高額である場合は、如何に特約と言えど拒否できる可能性があります。賃貸のハウスクリーニング代相場は部屋によりけりですが、だいたい5万円ほどが多いです。
1K/1DKで2万円前後、1LDKで5万円前後、2LDKで7万円前後、3LDKで10万円前後がざっくり部屋ごとのハウスクリーニング代の費用相場です。
いくらから高すぎると言えるのか?はガイドラインにも規定がないため難しい問題ですが、1LDKレベルの部屋で20万円を超えたら、さすがぼったぐりに来ていると考えても良いでしょう(原状回復に相当しない大きな破損がない場合の話です)。
拒否できるケース②:負担の内容が明記されていない
次は、負担の内容が明記されていない場合。
同じく原状回復をめぐるトラブルとガイドラインには、「賃借人が負担すべき内容・範囲が示されているか」が特約の判断基準として記載されています。
なので、特約を結ぶ際に、誰がどの部分をどこまで負担するのか?が明記されていない場合は、ハウスクリーニング代を請求されても拒否する余地が生まれるわけです。
とはいえ、特約を結ぶ時点でハウスクリーニング代を請求する意思しかないので、特約の契約時に「誰がどの部分をどこまで負担するのか?」は明確に決めるよう相談をしておきましょう。
拒否できるケース③:原状回復の負担主が明記されていない
最後は、原状回復の負担主が明記されていないケースです。
同じく原状回復をめぐるトラブルとガイドラインには、「本来賃借人負担とならない通常損耗分についても負担させるという趣旨及び負担することになる通常損耗の具体的範囲が明記されているか或いは口頭で説明されている」が特約の判断基準として記載されています。
本来、原状回復費用(画鋲の穴、経年劣化、自然災害による損害等..)は貸主負担です。しかし、特約に原状回復費用も借主に負担させると契約に盛り込み、借主が同意すれば、原状回復費用の負担は借主となります。
ただ、この際に、具体的な原状回復の費用の内容と負担人を明記していない場合は、ハウスクリーニング代の負担を拒否することが可能。特約の無効となる可能性があるからです。
ざっくりとまとめると「金額が相場より高すぎたり、誰がどこまでどんな内容を負担をするのか?の明記がなかったりした場合に限り、特約が無効となり拒否できる可能性がある」です。
逆に、特約が国土交通省のガイドライン通りに作成されていた場合、拒否することは難しいということですね。なので、相場程度のハウスクリーニング代は支払わないといけないと認識しておきましょう。
【SNS調査】賃貸のハウスクリーニング代に関する体験談
次に、SNSで賃貸のハウスクリーニング代に関する体験談を調査しました。
別観点からの意見を見ていきましょう。
体験談①:大家都合で転居になった時に転居先の契約料金取られそうになった
いうて私も入居拒否怖いしクリーニング代は払ってきてしまってるけど完全大家都合で転居になった時に転居先の契約料金取られそうになった時はさすがに拒否した たぶん業界最大手だけどヤクザすぎ まじで家賃もずっと差額だけ払う交渉すればよかったな
— ヂム🌳超残東6ま42b (@jimnyouhu) February 25, 2023
いうて私も入居拒否怖いしクリーニング代は払ってきてしまってるけど完全大家都合で転居になった時に転居先の契約料金取られそうになった時はさすがに拒否した たぶん業界最大手だけどヤクザすぎ まじで家賃もずっと差額だけ払う交渉すればよかったな
体験談②:クリーニング代払ったのに入居時にエアコンとIHが壊れている
入居時にエアコンとIHが壊れている
— イブ (@eveeveaa) April 17, 2024
それ含めてのクリーニング代を支払ったのに
そしてそれ含めて入居を決めたのに
と、電話する明日、メモ
入居時にエアコンとIHが壊れている。それ含めてのクリーニング代を支払ったのに。そしてそれ含めて入居を決めたのにと、電話する明日、メモ
体験談③:クリーニング代2.2万と室外機の移設費8万も請求してきた
入居中のオーナー、残置物としてそのままにしたエアコン2台(私が購入&設置)のクリーニング代2.2万と室外機の移設費8万も請求してきた。室外機の場所が本来の位置と違うみたいだけど、入居時に聞いてないし💢
— マンゴー (@h0me_m0ney) March 24, 2024
クリーニング代はわかるけど、移設費はおかしいでしょ。
こちらも徹底的にやります。 https://t.co/VzNwKgYgiT
入居中のオーナー、残置物としてそのままにしたエアコン2台(私が購入&設置)のクリーニング代2.2万と室外機の移設費8万も請求してきた。室外機の場所が本来の位置と違うみたいだけど、入居時に聞いてないし。クリーニング代はわかるけど、移設費はおかしいでしょ。こちらも徹底的にやります。
体験談④:普通に部屋クリーニングされてない気がするんだが
今日入居日だったんだけど、
— トニカック (@gahhgahh31555) March 23, 2024
普通に部屋クリーニングされてない気がするんだが?
エアコンとかホコリ普通にあるんだが
クリーニング代払ったよな?
今日入居日だったんだけど、普通に部屋クリーニングされてない気がするんだが?エアコンとかホコリ普通にあるんだがクリーニング代払ったよな?
体験談⑤:クリーニング代取ってるのに入居時のエアコンが綺麗じゃなかった
部屋とは別にエアコンクリーニング代取ってるのにアパート入居時のエアコンが全然綺麗じゃなかったことあるから、不動産屋は金だけ取ってろくな作業してないんだろうなとか思っちゃう。
— bk_orphe (@bk_orphe) March 21, 2024
部屋とは別にエアコンクリーニング代取ってるのにアパート入居時のエアコンが全然綺麗じゃなかったことあるから、不動産屋は金だけ取ってろくな作業してないんだろうなとか思っちゃう。
賃貸のハウスクリーニング代に関する体験談:まとめ
賃貸のハウスクリーニング代に関する体験談をまとめると上記の通り。
- 普通に部屋クリーニングされてない気がするんだが
- クリーニング代2.2万と室外機の移設費8万も請求してきた
- クリーニング代払ったのに入居時にエアコンとIHが壊れている
- 大家都合で転居になった時に転居先の契約料金取られそうになった
- クリーニング代取ってるのに入居時のエアコンが綺麗じゃなかった
「ハウスクリーニング代を支払ったのに、クリーニングがされていなかった」との声が多かったです。
ハウスクリーニング代を拒否できている方はほぼおらず、多くの人が致し方なくハウスクリーニング代を支払っている形でした。
また、ハウスクリーニング代にかさましして、機械の移設費などを追加でぼったぐられそうになるケースもちらほら見られました。
ちなみにハウスクリーニング代に付随する費用は、賃貸の初期費用で不動産会社にカモにされているパターンの1つ。他にも不動産会社にカモにされるパターンはあるので、無駄金を使いたくない方は以下の記事も合わせて読んでおきましょう。
>>【警告】賃貸不動産屋にカモられない方法7選!カモられるパターンまでプロが徹底解説
賃貸のハウスクリーニング代は入居時に拒否できる?:まとめ
賃貸のハウスクリーニング代は、本来は貸主負担ですが、借主負担になっているのが現状です。
特約を結ぶことで借主負担にすることが可能ですが、特約の有効性を保つには上記3つの観点を満たす必要があります。
なので、せめて上記3つの観点が特約に盛り込まれているか?は入居する前の契約時にチェックをすると良いでしょう。
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