賃貸の退去時に最も気になるのが、フローリングの傷などをどこまで費用負担すべきなのか。
物を落とした凹み、家具の移動による傷だらけの床、ペットのひっかき傷、水漏れによる反り返り、など退去時にいくら費用が発生するのか気になりますよね。
そこで今回は「賃貸フローリングの傷はどこまで費用負担になるのか?」を不動産のプロが徹底解説していきます。
本記事を読むことで、原状回復費用について理解が深まり、退去時にぼったぐり費用を請求されることが無くなりますよ。
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賃貸フローリングの傷はどこまで費用負担になる?
賃貸フローリングの傷はどこまで費用負担になるのか?の基準は、原状回復の範囲に該当するか否かです。
そして、原状回復の範囲は、国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で決まります。
その結果として、①入居者が負担するケース、②保険でカバーできるケース、③管理会社/大家が負担するケース、に分類されます。
下記にて、それぞれ事例ベースで、どんな傷が現状回復に該当するかを見ていきましょう。
①賃貸フローリングの傷を入居者が負担するケース
まずは、賃貸フローリングの傷を入居者が負担するケースを見ていきましょう。
ざっくり要件をまとめると、「故意もしくは不注意で傷やシミをつけた場合」が原状回復の義務に該当します。
順番に見ていきましょう。
入居者負担①:重い家具による凹み
賃貸物件でフローリングの傷に対して、入居者が負担しなければならないケースの1つ目は、重い家具を長期間設置したことによる凹み。
凹みの程度や位置によっては、オーナーや管理会社から修繕費用を請求されることがあります。1㎡以下であれば、場合によっては過失と見なされないこともありますが、基本的に1㎡以上であれば原状回復の必要があります。
重い家具による凹み以外にも、スマホを落としたり椅子の重みによる凹みだったりでも、原状回復の範囲に該当する可能性はあります。特に床材が柔らかい場合や、家具の足が小さく重量が一点に集中するような場合に、凹みが発生しやすいですね。
凹みによるフローリング修繕の費用は、1㎡あたり約1万円~2万円ほどが相場。重い家具が多いほど、凹みによる原状回復リスクが増すので注意したいところですね。
入居者負担②:タバコによる焦げ跡
また、タバコによる焦げ跡も、入居者が費用負担するケースとなります。
床材が焦げてしまうと、フローリングの一部張り替えなどの修繕作業が必要になります。凹みやスレ傷と異なり、小さい範囲での焦げ跡でも、原状回復の義務が発生する可能性が高いです。
焦げ跡の広さや材質によって修繕費用は異なるものの、1箇所あたり数千円から1万円以上かかることが一般的。高価なフローリング材や特殊な仕上げが施されている場合、1箇所あたり1万円以上もあり得ます。
入居者負担③:家具の移動によるスレ傷
家具の移動によるフローリングのスレ傷も、入居者が負担しなければならないケースになり得ます。
主に入居時の家具搬入や退去時に家具を移動させる時に、フローリングにスレ傷が付きやすいです。他にも、日常的な椅子の移動や掃除機によるブラシスレなどが原因です。
フローリングのスレ傷の修繕費は、傷の深さや範囲によって異なりますが、1mあたり数千円から1万円前後が相場。傷が深い場合だと、修繕費用が高くなる可能性もあります。
入居者負担④:ペットによるひっかき傷
ペットによるひっかき傷も、入居者が負担しなければならないケースになり得ます。
フローリングはペットのひっかき傷がつきやすく、小さな傷でも数が多くなると修繕が必要になります。
ペットの爪によるひっかき傷の修繕費用は、1㎡あたり1万円以上になることも。ペットのサイズや爪の鋭さによって、傷の深さや範囲も変わるため、原状回復において最も注意したい傷ですね。
入居者負担⑤:水漏れによる膨張や反り返り
水漏れによるフローリングの膨張や反り返りも、入居者が負担しなければならないケースになり得ます。
水分がフローリングに浸透すると、材質が膨らんだり反り返ったりすることがあるので、キッチンやバスルーム近くでの水漏れには要注意です。
水漏れによる膨張や反り返りは、部分的なフローリングの張替えが必要になることが多く、修繕費用は1㎡あたり数万円の修繕費用がかかることもあります。
②賃貸フローリングの傷を保険会社が負担するケース
次に、賃貸フローリングの傷を保険会社が負担するケースを見ていきましょう。
ざっくり要件をまとめると、借家人賠償責任特約の火災保険に入っていることが前提で、「突発的な事故による損傷」が保険会社でカバーできる範囲です。
順番に見ていきましょう。
保険会社負担①:火災による損傷
賃貸物件のフローリングが火災で損傷した場合、火災保険が適用されることが多いです。
火災によるフローリングの損傷は、焦げ跡や焼け焦げが広範囲に及ぶことが多く、修繕費用は高額になる可能性が高いです。しかし、基本的には火災保険でカバー可能。フローリングの焼け焦げや、消火活動による水浸しの被害も対象になります。
保険会社負担②:台風による損傷
台風や暴風雨によるフローリングの損傷も、保険会社が負担するケースが多いです。
台風によって窓ガラスが割れたり、外壁が破損して雨水が室内に侵入したり、などの場合は火災保険の風災補償が適用されます。ただ、一部補填か全額補填かは事例によりけりです。
保険会社負担③:盗難による損傷
盗難が原因でフローリングが損傷した場合も、保険会社が負担するケースがあります。
例えば、窓やドアが壊され侵入者によって家具が倒されたり、フローリングが損傷したりなど。この場合は、火災保険の盗難補償が適用されることが多いです。
ちなみに盗難被害では、フローリングだけでなく窓やドアの修理費用、盗まれた家財の補償も含まれることが多いです。
保険会社負担④:床下浸水による損傷
豪雨や洪水によって床下浸水が発生し、フローリングが損傷した場合も、保険会社が修繕費を負担することがあります。
床下浸水によってフローリングが膨張したり反り返ったりすると、修繕が必要になりますが、火災保険の水害補償が適用されることが多いです。
保険会社負担⑤:突発的な事故による損傷
重い家具を誤って倒したり、家電が落下してフローリングに傷がついたりした場合も、保険会社が修繕費を負担することがあります。
他にも、子どもによる突発的な事故でフローリングが損傷した場合なども、家財保険の破損・汚損補償が適用されることが多いです。
③賃貸フローリングの傷を管理会社/大家が負担するケース
最後は、賃貸フローリングの傷を管理会社/大家が負担するケースを見ていきましょう。
ざっくり要件をまとめると、「経年劣化による傷/シミ/凹み」などが管理会社/大家側で費用負担するものです。
順番に見ていきましょう。
管理会社/大家負担①:過去の入居者による損傷
賃貸物件において、過去の入居者が残したフローリングの損傷は、通常現在の入居者が負担する必要はありません。
物件の引渡し時点で既に存在していた傷や凹みは、大家や管理会社の責任範囲となるため、修繕費用も管理会社/大家が負担することになります。
なので、過去の入居者が残した損傷があれば、入居時点で管理会社に報告し、写真などで証拠を残すことが重要です。
管理会社/大家負担②:老朽化による床鳴りやきしみ
老朽化によるフローリングの床鳴りやきしみも、管理会社や大家が負担するべきケースです。
賃貸物件では、長年の使用によってフローリングが劣化し、床がきしんだり歩くたびに音が鳴ったりすることがありますが、建物自体の経年劣化に伴うものであり、入居者の使用とは無関係です。
管理会社/大家負担③:施工ミスによるフローリングの不具合
賃貸物件のフローリングに施工ミスが原因で不具合が発生した場合、修繕費用は管理会社や大家が負担するべきもの。
例えば、フローリングが初めから浮いていたり、接着が不十分で歩くたびに動いたりするケースがあります。ただ、施工ミスによる不具合は、入居直後に気付くことが多いので、気づいたらすぐに管理会社や大家に報告しましょう。
【体験談】賃貸退去時の原状回復費用はどの程度かかった?
次に、SNSで賃貸退去時の原状回復費用はどの程度かかったのか?を調査しました。
検索すると「退去費用 納得いかない」と出てくるので、別観点からの意見を見ていきましょう。
体験談①:フローリング部分張り替え20万を請求された
フローリング部分張り替え20万⁉︎今回管理会社から入居当初の傷等の追加補修費の請求があった。めちゃ調べ国交省の原状回復ガイドライン従って?専門家意見聞きますよ?って言ってから契約書の指摘もしたら清掃費除かれた2万戻ってきました!!!😆知識って大事だなーと。皆さんも気をつけて!
— ほうじティー (@houjithi) August 8, 2021
フローリング部分張り替え20万⁉︎今回管理会社から入居当初の傷等の追加補修費の請求があった。めちゃ調べ国交省の原状回復ガイドライン従って?専門家意見聞きますよ?って言ってから契約書の指摘もしたら清掃費除かれた2万戻ってきました!!!知識って大事だなーと。皆さんも気をつけて!
体験談②:フローリング原状回復費50万だった
子供が傷めまくったマンションのフローリング。ある程度は覚悟してたけど、フローリング原状回復費50万!思ったより高い😅
— ねこにゃ (@nekonya7) March 10, 2023
子供が傷めまくったマンションのフローリング。ある程度は覚悟してたけど、フローリング原状回復費50万!思ったより高い
体験談③:敷金2ヶ月分を突き抜けてまさかの追加請求
3月に退去した家の原状回復費が今になって請求されてきた。敷金の返戻遅いなと待っていたら、敷金2ヶ月分を突き抜けて、まさかの追加請求。さすがに高い。たたかいたい。
— ienohondashi (@ieno_hondashi) June 7, 2024
3月に退去した家の原状回復費が今になって請求されてきた。敷金の返戻遅いなと待っていたら、敷金2ヶ月分を突き抜けて、まさかの追加請求。さすがに高い。たたかいたい。
体験談④:六畳一人暮らしで一年強で原状回復16万
六畳一人暮らしで一年強、で原状回復16万って高いとおもいませんか。友人の話なんだけどこういうのどこに相談すればいいんだろうか。
— 古書肆・書籍と処女/店員ゆうこ (@InkRings) March 30, 2024
六畳一人暮らしで一年強、で原状回復16万って高いとおもいませんか。友人の話なんだけどこういうのどこに相談すればいいんだろうか。
体験談⑤:原状回復費用が1Kの25㎡で5.3万円
新築アパート初退去の原状回復費用出てきた!
— 犬猫いっしー犬 (@5cat5dog5cat5) February 27, 2023
クリーニングのみで済みそう!
1K 25㎡ 5.3万円
若干高い気がするけどまぁこんなもんか。。。
新築アパート初退去の原状回復費用出てきた!クリーニングのみで済みそう!1K 25㎡ 5.3万円。若干高い気がするけどまぁこんなもんか。。。
賃貸退去時の原状回復費用はどの程度かかった?:まとめ
賃貸退去時の原状回復費用はどの程度かかったのか?をまとめると上記の通り。
- フローリング原状回復費50万だった
- 原状回復費用が1Kの25㎡で5.3万円
- 六畳一人暮らしで一年強で原状回復16万
- 敷金2ヶ月分を突き抜けてまさかの追加請求
- フローリング部分張り替え20万を請求された
ワンルームや1Kで5万円~10万円、お子さんのいる2LDK以上の部屋になると20万円~50万円ほどでした。
事前に敷金をどの程度支払っているか?大家/管理会社の基準が厳しいか?など、背景によっても現状回復費用は大きく変動するので、あくまで参考値としてご認識ください。
退去時の現状回復費用に納得いかない時はどこに相談する?
最後に、退去時の現状回復費用に納得いかない時はどこに相談するのか?を解説していきますね。
順番に見ていきましょう。
納得いかない場合①:管理会社へ相談する
退去時に提示された現状回復費用に納得がいかない場合、まずは管理会社に直接相談しましょう
管理会社は、賃貸物件の維持管理を担っているため、費用の内訳や根拠を明確に説明する責任があります。入居者としては、請求書に記載された修繕内容が適切かどうかを確認し、不明な点や不透明な項目があれば、まずは管理会社に詳細な説明を求めるべき。
不服なポイントがあれば、国土交通省が発行する「原状回復をめぐるガイドライン」を参考にしながら、管理会社と交渉を進めていきましょう。
納得いかない場合②:消費生活センターへ相談する
管理会社との交渉が難航し、原状回復費用に納得がいかない場合は、消費生活センターに相談することが次のステップとなります。
消費生活センターは、消費者の権利を守るために設置された公的な機関であり、賃貸トラブルに関する無料の相談を受け付けています。他にも下記のような場所へ相談するのもあり。
公的な相談先 | 電話番号 |
---|---|
消費生活センター | 03-3446-1623 |
日本消費者協会 | 03-5282-5319 |
法テラス | 0570-078374 |
不動産適正取引推進機構 | 0570-021-030 |
消費生活センター等は、賃貸契約に関する知識が豊富ですし、公的な第三者機関を介して交渉することで、管理会社との交渉も効果的に進めやすいですね。
納得いかない場合③:調停・訴訟の手段を採る
管理会社との交渉や消費生活センターでの対応がうまくいかず、依然として納得できない場合、最終的な手段として調停や訴訟を検討することになります。
調停の申請は、簡易裁判所で行うことが可能で、費用は数千円から1万円程度。訴訟に比べて費用負担が少ないのが特徴です。訴訟を起こす場合は、費用や時間がかかるため、慎重に検討しましょう。主に、請求書や契約書、入居・退去時の写真や修繕内容の詳細が重要な証拠となります。
賃貸フローリングの傷はどこまで費用負担になる?:まとめ
賃貸フローリングの傷を入居者が負担する具体的なケースは上記の通り。
経年劣化や突発的な事故を除き、故意/過失の傷は原状回復の義務に該当するため、基本的には退去時に費用を支払う必要があります。
ただ、稀に法外な退去費用を請求してくる会社もあるので、その際は消費生活センターへ相談しつつ、金額交渉をすると良いでしょう。
ちなみに賃貸物件を契約する場合は39roomを活用すると、仲介手数料が0円もしくは39,000円になります。初期費用が10万円単位で変わる可能性もあるので、ぜひご活用ください。
仲介手数料を無料にする裏技
物件の購入であれば、01HOUSEを活用すると、仲介手数料が0円もしくは0.7%まで節約可能。
すでに仲介手数料が無料であれば、01HOUSEに依頼するだけで、最大100万円のキャッシュバックがあります。
使い方は簡単で物件URLを送るだけ。必要であれば住宅ローンの審査まで徹底サポートいたします。
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